初診の流れについて
2024年11月19日
エストデンタルケア南青山 歯科衛生士橋本です。
いつの間にか季節は秋模様となってきましたね。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
皆様に役立つ情報を発信していくためにブログを始めました。
当院は自費診療専門のプライベート歯科クリニックです。
完全に予約制なので待ち時間がなく、患者様お一人ずつの状態や希望に合わせた治療を提供しています。
患者様の状態を把握するために、初診時には1時間半のお時間をいただいております。
今回は当院における初診の患者様の診療の流れについてお伝えしていきます。
目次
①問診票の記入とカウンセリング
②口腔内の確認
③レントゲン、CT撮影と説明
④歯周病の検査
⑤治療法の提案
①問診票の記入とカウンセリング
当院ではお口の中に対していろいろなお悩みを抱えた患者様が来院されます。
例えば他院での治療が上手くいかなかった、他院ではインプラントが出来ないと
伝えられた、他院から提案された治療法とは別の治療法を試したい、など
患者様のお悩みと向き合うためにしっかりお時間をいただいてお話しをお伺いしています。
どんな些細なことでも構いませんのでなんなりとお聞かせください。
②口腔内の確認
・口腔内の状態の記録
虫歯の有無や、治療の既往などを記録します。
・口腔内写真の撮影
口腔内の写真には患者様の歯の位置、歯並び、歯茎の状態、
虫歯や歯周病の進行具合、詰め物や被せ物の状態など様々な情報が含まれます。
診断や治療の記録として残され、治療前と治療後の変化を視覚的に確認することができます。当院では必要に応じて顔貌写真、全身の写真も記録する事もございます。
・顎関節の触診
顎の関節を指で触って顎関節の痛みの把握や、開口路、開口量の観察などをおこないます。を開けたり閉じたりして、顎関節音(クリック音、ポップ音、カクカク音など)や顎の動きをチェックします。
この時に口を開けたり閉めたりする時の痛み(開口痛・閉口痛)や顎関節音があれば顎関節の疑いがあります。
顎関節症の原因ですが、主に顎の関節への過剰な負荷による筋肉や靱帯の過緊張や痙攣、損傷が原因と考えられています。
例えば
・歯並び・咬み合わせ(合わない被せ物も含む)
・歯ぎしり・食いしばり
・頬ずえ・片側寝(いつも左右片側にだけ枕を当てて眠る)
・大きな口を開ける運動
・不良姿勢(猫背やストレートネック)などが顎関節症の原因となる行動とされています。
③レントゲン、CT撮影と説明
レントゲン撮影では虫歯の有無、歯槽骨の量、歯の数、顎関節の状態などを把握します。
CT撮影では歯や顎の周囲の骨や神経、血管などを立体的に撮影が可能なため、インプラントの計画、顎骨の病変の診断、埋伏歯の位置確認、複雑な歯根の形状などを把握します。
レントゲンときくと被曝量が心配になる方がいらっしゃると思いますが、
歯科治療で、お口全体の撮影を行うパノラマレントゲン撮影の1枚あたりの放射線被ばく量は、約0.03~0.05ミリシーベルト、局部的に撮影するデンタルレントゲン撮影においては約0.01ミリシーベルト、歯科用CT撮影では0.2ミリシーベルトです。
私たちが生活している中で、自然界からの放射線が放出されていますがその量は1年間で平均1.5~2.4ミリシーベルトと言われています。
安全基準値を超えるには1年間でおよそ2000枚のデンタルレントゲンを撮影することになり、1日で換算すると、1日あたりおよそ5~6枚のレントゲン写真を毎日撮り続けることで、ようやく危険水域に達すると考えられています。
鉛の入った防護エプロンを着て撮影すると、被ばく量は1/10となり、ほとんど問題にならない量になりますのでご安心ください。
④歯周病の検査
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患で、歯の周りの歯ぐきが腫れたり、出血を起こしたり、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。
歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして歯肉炎になり、
さらに進行すると歯周病になり膿がでたり、歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
当院では歯周病の検査の項目は3つに分けています。
1.プラーク(歯面についている汚れ)の付着率の検査
プラークとは、歯の表面や歯と歯茎の境目、歯と歯の間に付着している細菌の塊です。
プラークが付着していると歯肉が腫れたり、出血を引き起こし歯肉炎、歯周病の原因になります。
歯周病だけではなく、虫歯の原因にもなるので日々のブラッシングが大切です。
プラークの付着率は20%以下が健康な状態と言われています。
磨き残しの残りやすい部位は
・奥歯の噛み合わせ部分
・歯と歯の間
・歯と歯茎の境目
・歯と歯が重なっている部分
・抜けた歯の周り
などが挙げられます。
当院では患者様のお口の中の状態に応じて清掃、歯周治療、ご自身での清掃指導を行います。
2.プロービング検査
プローブという細い針状の器具を使って歯と歯茎の間にある歯周ポケットの深さを測定します。
健康な歯肉の状態は3mm以内です。4~5mmで軽度歯周病、6mm~7mm以上で中等度歯周病、7mm以上で重度歯周病と判断します。
重度の歯周病だと歯を支えている歯槽骨が溶けてなくなっている状態です。
プロービング検査をした後に歯周ポケットから出血がおこることもみられます。
出血するということは、炎症があるサインです。歯石の除去を徹底的に行い、日々のブラッシングが大切です。
3.歯の動揺度の検査
ピンセットで摘んで歯がどの程度動くか測定をします。
歯の動揺度には0度から3度まで指標があります。
・0度(生理的動揺)…0.2mm以下。ほとんど動くと感じません。
・1度(軽度) …前後に0.2~1m m動きます。
・2度(中程度) …前後、左右に1mm以上2mm未満動きます。
・3度(重度) …前後左右に2mm以上動きます。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少するため、歯が揺れやすくなります。
主に歯周病の進行を評価するために用いられますが、事故による外傷や矯正など他の原因で歯が動くこともあります。
この他にもレントゲンで骨の吸収や歯周病の進行具合を詳しく観察したり、 目視で歯肉の腫れ具合も観察します。
初期の歯周病は痛みなどの症状が無いため、ご自身ではなかなか気づきにくいです。
例えば、
・口臭を指摘されたことがある、口臭が気になる
・朝起きたときに口の中がねばねばする
・歯磨きした際に血がでる、歯ブラシが赤くなる
・歯肉が赤く腫れている
・歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
・歯肉を押すと血が出たり、膿が出る
・昔と比べて歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなってきた
・歯が浮いた感じがする
・昔と比べて歯並びが変わった気がする
・歯がぐらぐらする
などの症状がある方は早めに歯科医医院を受診しましょう。
また、一度進行した歯周病を完全に治癒させることは今の医療では難しく、
歯周病が進行する前に予防することがとても大切です。
些細なことでも気になる症状がございましたらお気軽にお声がけください。
⑤治療法の提案
上記の検査を行った上で患者様に合った治療法をご提案します。
また、ご予算、治療にかけられるお時間、目的などによっても適切な治療方針は変わります。
当院では、患者さんのご希望に沿うようにしっかりとヒアリングし、まずはその希望を叶えるためにはどんな治療が必要かを考えます。
患者さんのご希望やご意向に寄り添って何とか実現できるように治療計画を考えていきますが、すべて患者さんの希望通りにするということが難しいケースもあります。
そのようなときには専門家としての知識や経験にもとづいた知見により、患者さんにとって「適切かつ必要な治療法」を考えてご提案いたします。
また当院では、患者さんとの時間を何よりも大切にしております。
治療を丁寧にしっかりと行うために、患者さんお一人に十分な診察時間を確保しています。
そのため、1日の予約数を限定させていただいておりますので、ご了承ください。
お問い合わせは電話やメールで受け付けておりますのでお気軽にご連絡ください。