歯周外科治療とは?適応となるケースや治療の種類、費用も
2025年11月13日
こんにちは。港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」です。

歯周病は、歯ぐきの腫れや出血から始まり、放置すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜ける可能性がある深刻な病気です。
初期の段階であれば、スケーリングやブラッシング指導などの基本的な処置で改善することもありますが、進行した場合にはより高度な治療が必要になります。そこで重要になるのが歯周外科治療です。
歯周外科治療は、歯周病の進行を食い止め、失われた歯周組織の回復を目指すための専門的な治療法です。
今回は、歯周外科治療とは何か解説します。適応となる症状や治療の種類、メリット、注意点や費用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
歯周外科治療とは

歯周外科治療は、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなったり、歯を支える骨が溶けてしまったりした場合に行われる外科的な治療です。
初期の段階であれば、歯のクリーニングやスケーリング、ルートプレーニングといった基本的な処置で対応できますが、重度になるとそれだけでは十分な効果が期待できません。そこで必要になるのが、より専門的な手術をともなう歯周外科治療です。
歯ぐきを切開して内部にある歯石や感染組織を除去したり、骨や歯ぐきの再生を促す材料を使用して失われた組織を回復させたりします。このような処置を行うことで、歯周病の進行を食い止め、最終的には歯の保存につながることが期待されます。
歯周外科治療の適応となるケース

歯周外科治療が必要になるのは、一般的な歯周病治療だけでは効果が十分でない場合です。以下のようなケースでは、歯周外科治療の適応となることがあります。
歯周病が進行しているケース
歯周病が中等度から重度に進行している場合には、歯を支える骨が著しく失われていることが多いです。そのため、通常のスケーリングやルートプレーニングといった基本治療だけでは十分な効果が得られません。
特に深部に付着した歯石や感染組織は、視認が難しく、器具が届きにくいため、取り残しのリスクがあります。こうした場合には、歯ぐきを切開して歯根の奥深くまでしっかりと処置できるフラップ手術などの外科的治療が有効です。
歯ぐきの腫れや出血が続くケース
ふだんしっかりと歯みがきをしているにもかかわらず、歯ぐきの腫れや出血といった症状が長期間にわたって続く場合、歯周病が歯ぐきの奥深くまで進行している可能性があります。
見た目には大きな異常がなくても、歯周ポケットの内部では細菌が繁殖し、慢性的な炎症が起きていることがあります。
こうしたケースでは、通常の清掃では除去できない感染源が存在するため、歯ぐきを開いて内部の状態を確認・処置する外科的治療が必要になることがあります。原因を目で確認しながら取り除くことで、炎症の改善や再発の予防につながります。
歯周ポケットが深いケース
歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットは、通常1〜3mm程度が健康な状態とされています。
しかし、歯周病が進行するとこのポケットが深くなり、4mm以上になると細菌がたまりやすくなります。特に6mm以上の深さがある場合、歯ブラシや通常の治療だけでは奥まで届かず、細菌や歯石を完全に除去することが困難になります。
このような状態では、歯ぐきを切開して内部を直接清掃する治療が必要になります。歯周ポケットを浅くすることで、再発のリスクを抑え、歯の保存にもつながります。
歯周外科治療の種類

歯周外科治療には、症状の進行度や患者さんの状態に応じて複数の治療法が存在します。ここでは代表的な治療法をご紹介します。
フラップ手術
フラップ手術は、歯ぐきを切開して歯根の表面を露出させ、そこに付着している歯石や感染組織を目視で確実に除去するための手術です。処置後は、切開した歯ぐきを元に戻し、縫合します。
この手術は、歯周ポケットの深さを改善し、歯周病の進行を食い止める効果があります。また、清掃性が向上するため、術後のセルフケアがしやすくなり、再発予防にもつながります。
歯周組織再生療法
歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜、セメント質といった歯周組織を再生させることを目的とした治療法です。単に感染を取り除くだけでなく、歯を支える構造そのものを回復させることが期待できます。以下に代表的な再生療法をご紹介します。
GTR法
GTR法は、失われた歯周組織の再生を促すための歯周外科治療です。この治療では、メンブレンと呼ばれる特殊な人工膜を使用し、再生を望む歯根膜や骨の領域に、歯ぐきの細胞が入り込まないように遮断することで、組織が正しく再生する環境を整えます。
特に垂直性の骨欠損がある症例に適応となり、骨の再生とともに歯の安定性を取り戻すことが期待されます。
ただし、状態によっては適応とならない場合もあるため、治療前の精密な診断が重要です。
エムドゲイン法
エムドゲイン法は、ブタの歯胚から抽出されたたんぱく質を主成分とするゲル状の材料を使用する治療法です。このエムドゲインは、歯の発生過程を再現し、歯根膜やセメント質、骨の再生を促します。
手術の際に、感染組織を除去したあと、このゲルを欠損部に塗布し、再生を待つという流れです。安全性が高く、成功率も高い再生療法のひとつとして注目されています。
リグロス
リグロスは、日本で開発された歯周組織再生用の薬剤です。主成分はbFGF(線維芽細胞増殖因子)で、骨や歯根膜などの再生を促します。
リグロスは、保険が適用される点が特徴で、再生療法のなかでも費用を抑えられるというメリットがあります。適応となる症例には限りがありますが、条件が合えば非常に有効な治療法です。
歯周外科治療を受けるメリット

歯周外科治療を受けることで得られる最大のメリットは、自分の歯を残せる可能性が高まるという点です。歯周病によってダメージを受けた歯周組織を回復・再生させることで、本来なら抜歯となるケースでも歯を保存できる可能性があります。
また、治療によって歯周ポケットが浅くなり、セルフケアがしやすくなるため、歯周病の再発予防にもつながります。さらに、歯ぐきの腫れや出血が改善することで、口臭の軽減や食事のしやすさ、審美的な改善といった日常生活の質の向上も期待できます。
歯周外科治療を受けるときの注意点

歯周外科治療は、効果的な治療法である一方で、注意すべき点もあります。
まず、手術後には一時的な痛みや腫れが生じることがあり、生活に支障が出ることもあります。また、喫煙や糖尿病などの生活習慣病がある方は、治癒が遅れたり、再生療法の効果が十分に得られなかったりする可能性があります。
そのため、治療前に歯科医師と十分に相談し、必要に応じて生活習慣の改善を検討することも重要です。さらに、治療が終了したあと、定期的なメンテナンスを怠ると、再発のリスクが高まります。歯周外科治療は治して終わりではなく、継続的な管理と意識が不可欠です。
歯周外科治療の費用

歯周外科治療の費用は、治療内容や使用する薬剤、保険の適用範囲によって異なります。例えば、基本的なフラップ手術であれば、健康保険が適用されることが多く、3割負担であれば1本あたり数千円〜1万円程度で受けられます。
一方で、歯周組織再生療法に関しては、GTR法やエムドゲイン法は原則として自費診療となるため、1本あたり数万円〜10万円前後かかることもあります。
ただし、リグロスは保険適用の対象になるため、安価に治療を受けられるのが特徴です。費用については、治療前に必ず歯科医院で確認し、納得したうえで治療を進めることが大切です。
まとめ

歯周外科治療は、進行した歯周病に対する最後の砦ともいえる治療法です。適切に行われることで、歯を失わずに済む可能性が高まり、生活の質を大きく向上させることができます。治療には外科的な処置を伴うため、不安に感じる方も少なくありません。
しかし、しっかりとした診査・診断、丁寧な説明を受け、納得したうえで治療に臨めば、その効果は十分に期待できます。近年では再生療法の選択肢も増え、より多くの方が歯を残す治療を選択できるようになりました。
歯周病でお悩みの方は、早めに歯科医院を受診し、自分に適した治療法を検討することが重要です。
歯周病の症状にお悩みの方は、港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」にお気軽にご相談ください。
当院では、院長が全ての患者さんを対応するなど、患者さんの悩みに本気で向き合っています。歯を守りたい、芸能人のような歯にしたい、他院で断られたなどのお悩みを抱えている方はぜひご連絡ください。


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