顎関節症の原因とは?痛みや違和感の放置が招くリスクも
2025年11月27日
こんにちは。港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」です。

顎の関節に痛みを感じた経験はありませんか。口を開けるとカクカクと音が鳴ったり、食事中に顎が疲れやすかったりする場合、それは顎関節症(がくかんせつしょう)のサインかもしれません。
顎関節症は、現代人に増えている症状の一つであり、その原因や症状は人それぞれ異なります。軽く考えて放置すると、日常生活に支障をきたすほど悪化するケースも少なくありません。
今回は、顎関節症の基本的な知識から、主な原因、放置した場合のリスク、治療法について解説します。顎関節症の症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
顎関節症とは

顎関節症とは、顎の関節やその周囲の筋肉などに痛みや違和感が生じる病気の総称です。
口を開けるときにカクッと音がしたり、大きく口を開けにくくなったり、噛むときに顎が疲れやすいなどの症状が見られることが多いです。人によっては頭痛や肩こりなど全身に不調を感じることもあります。
顎関節は、耳のすぐ前にある側頭骨と下顎骨が接する部分で、口の開閉や噛む動作を支える非常に重要な関節です。この部分に何らかの負担やズレが生じることで、関節や筋肉のバランスが崩れ、さまざまな症状が引き起こされます。
日本では特に20〜40代の女性に多く見られる傾向があり、その背景には生活習慣やストレス、ホルモンバランスの影響などが関係していると考えられています。
初期の段階では自然に回復するケースもありますが、慢性化すると日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対応が大切です。
顎関節症の原因

顎関節症にはさまざまな原因が考えられますが、代表的なものを4つご紹介します。
噛み合わせが悪い
上下の歯の噛み合わせがうまく合っていないと、顎に余計な力がかかりやすくなります。こうした噛み合わせのズレは、関節や筋肉に負担を与え、顎の痛みや動かしにくさといった不調の原因になります。
噛み合わせの乱れは、先天的な骨格や歯並びの影響に加え、虫歯の治療後の詰め物や被せ物の高さが合っていないことなどが原因になる場合もあります。また、加齢や歯の喪失によっても徐々に噛み合わせが変化し、顎の不調を招くことがあります。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある
無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりも、顎関節に強い負荷をかける行動です。
特に就寝中の歯ぎしりは自覚が難しく、長期間にわたり関節や筋肉にダメージを与え続けることがあります。また、仕事中やスポーツ中など、集中しているときに無意識に歯を食いしばっている人も少なくありません。
これらの癖は、関節の圧迫や筋肉の緊張を引き起こし、顎関節症の発症や悪化につながります。
姿勢が悪い
一見、顎とは関係がないように思える姿勢も、顎関節症の原因となることがあります。特に、長時間のスマートフォン使用やパソコン作業によって前傾姿勢が続くと、首や肩の筋肉に負担がかかり、結果的に顎の位置がズレることがあります。
このような姿勢の乱れは、顎関節の動きに影響を与え、左右の筋肉バランスが崩れることで関節への負担が増加します。また、猫背やストレートネックなどの慢性的な姿勢不良は、顎だけでなく全身の不調につながることもあるため、日頃から正しい姿勢を意識することが大切です。
精神的ストレスがある
精神的なストレスも、顎関節症の発症に深く関与しています。強いストレスを感じると、身体が緊張状態になりやすく、知らず知らずのうちに歯ぎしりや食いしばりを引き起こすことがあります。
また、ストレスは睡眠の質を低下させ、筋肉の回復を妨げるため、顎の違和感や痛みが慢性化しやすくなります。さらに、ストレスによる自律神経の乱れが血流を悪化させ、筋肉のこわばりや疲労感を助長することもあります。
顎関節症を放置するリスク

顎関節症は、初期の段階では違和感や軽い痛みだけのことも多く、つい放置しがちです。
しかし、適切な対処をしないままでいると、症状が徐々に悪化し、噛む・話すといった基本的な動作に支障をきたす可能性があります。ここでは、顎関節症を放置することで起こり得る具体的なリスクを4つご紹介します。
症状が悪化する
顎関節症の初期段階では、少し顎が疲れやすい、口を開けると音がするといった軽微な症状が多く見られます。
しかし、放置すると痛みが強くなったり、関節の可動域が狭まり、口が開けづらくなったりすることがあります。また、関節や周囲の筋肉に慢性的な負担がかかることで、炎症が広がり、長期間にわたる治療が必要になるケースも少なくありません。
早期に治療を開始すれば軽い処置で済むことが多いため、軽視せずに治療を受けることが大切です。
噛み合わせが悪くなる
顎関節症を放置すると、顎の動きに偏りが生じ、次第に噛み合わせのバランスが崩れてくることがあります。たとえば、痛みを避けるために片側ばかりで噛むようになると、歯への負担が一部に集中し、歯の摩耗や歯周病のリスクが高まります。
さらに、噛み合わせが乱れると、顎の位置も不安定になり、筋肉や関節へのストレスが増して症状を悪化させるという悪循環に陥る可能性もあります。噛む力の偏りは、顔の左右差や発音の乱れにもつながり、見た目や生活の質にまで影響を及ぼします。
初期段階で適切な対応をすることで、こうした問題を未然に防ぐことができます。
全身の健康に影響を及ぼすことがある
顎関節は、頭や首、肩、背中などの筋肉と密接に関係しています。そのため、顎関節症によって筋肉のバランスが崩れると、肩こりや首のこり、慢性的な頭痛などの症状が現れることがあります。また、無意識のうちに姿勢が悪くなり、腰痛や眼精疲労を引き起こすこともあります。
さらに、噛み合わせのズレは自律神経の乱れにもつながり、めまいや倦怠感、集中力の低下など、全身の不調を感じる人も少なくありません。
顎関節の不調を放置することは、単に口の問題にとどまらず、心身の健康全体に影響を及ぼす可能性があるのです。
精神的なストレスにつながる
顎関節症による痛みや違和感が長引くと、日常生活に支障をきたし、精神的なストレスも蓄積していきます。たとえば、食事が楽しめない、会話がしづらい、口を大きく開けられないといった不便さは、大きなストレスとなります。
また、顎の不調が気になって集中力が続かなくなったり、人と話すのが億劫になったりと、社会生活や人間関係にも悪影響を及ぼすことがあります。身体の痛みと精神的な不安が悪循環を生み、うつ状態にまで発展するケースもあるため、早めの対応が欠かせません。
顎関節症の治療法

顎関節症の治療は、症状や原因に応じてさまざまな方法があります。ここでは代表的な4つの治療法をご紹介します。
噛み合わせの調整
噛み合わせが原因で顎関節症を引き起こしている場合、歯科医師による噛み合わせの調整が有効です。
具体的には、過剰に接触している歯を少し削って噛み合わせを均一にしたり、詰め物や被せ物の高さを調整したりすることで、顎への負担を軽減します。また、必要に応じて矯正治療を行い、歯並びそのものを改善することもあります。
適切な噛み合わせを取り戻すことで、関節や筋肉にかかる力のバランスが整い、症状の緩和が期待できます。
スプリント療法
スプリント療法は、専用のマウスピースを装着して顎関節や筋肉への負担を軽減する治療法です。主に夜間に装着することで、無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりから歯と顎を守り、関節を安静に保ちます。
スプリントには顎の位置を正しく誘導する機能もあり、噛み合わせのズレを一時的に補正する役割も果たします。
個々の状態に合わせてオーダーメイドで作製された専用のマウスピースを装着することで、顎の筋肉の緊張が緩和され、痛みの軽減につながるケースが多く見られます。
理学療法
理学療法では、顎関節やその周囲の筋肉に対して物理的なアプローチを行い、痛みの緩和や機能の改善を図ります。
温熱療法、マッサージ、ストレッチなどを用いて、緊張した筋肉をほぐし、血流を促進します。また、口の開け閉めをスムーズに行うための運動指導や、自宅で行えるセルフケアも含まれることが多く、再発防止にもつながります。
薬に頼らず自然な方法で改善を目指せる点が理学療法のメリットであり、特に筋肉のこわばりが原因となっている場合に効果的です。
薬物療法
顎関節症に伴う痛みや炎症が強い場合には、薬による対症療法が行われます。
一般的には、非ステロイド性抗炎症薬によって炎症を抑え、痛みを軽減します。筋肉の緊張をやわらげる筋弛緩薬が処方されることもあります。一時的な症状の緩和には有効ですが、薬だけで根本的な原因を解決することは難しいため、ほかの治療法と組み合わせて行うのが基本です。
薬を服用する際は医師の指導のもと、用法・用量を守ることが大切です。
まとめ

顎関節症は、噛み合わせのズレや歯ぎしり、姿勢の悪さ、精神的なストレスなど、さまざまな原因が複雑に関係して起こる疾患です。
初期症状は軽い違和感であることが多いですが、放置すると症状が進行し、噛み合わせの悪化や全身の不調、さらには精神的なストレスにもつながる恐れがあります。
治療方法には、噛み合わせの調整やスプリント療法、理学療法、薬物療法などがあります。また、日常生活における姿勢の改善やストレス管理なども、症状の予防や再発防止に有効です。
顎の違和感や痛みに気づいたときには、我慢せず早めに歯科医院や専門機関に相談してください。早期に対応することで、症状の進行を防ぎ、健やかな生活を維持できるでしょう。
顎関節症の症状にお悩みの方は、港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」にお気軽にご相談ください。
当院では、院長が全ての患者さんを対応するなど、患者さんの悩みに本気で向き合っています。歯を守りたい、芸能人のような歯にしたい、他院で断られたなどのお悩みを抱えている方はぜひご連絡ください。
当院のホームページはこちら、お問い合わせも受け付けておりますので、ご活用ください。
根管治療とはどんな治療?メリットや治療の流れ、費用も
2025年11月20日
こんにちは。港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」です。

根管治療という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。「具体的に何をするの?」「どういう流れで行われるの?」など、疑問に感じる方もいるでしょう。
この記事では、根管治療とは何かを解説し、治療の流れや費用などについて解説していきます。根管治療が必要と言われた方や、治療に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
根管治療とは

根管治療とは、虫歯や外傷などで歯の中心部にある根管内まで感染した場合に、感染を除去し歯を残すために行われる治療です。歯髄とは歯の中心にある柔らかい組織で、血液や神経が通っています。根管治療では神経や血管を除去し、歯を残すことを目指します。
歯髄が感染を起こすと、激しい痛みや腫れが生じたり膿がたまったりして、放置すると歯が抜け落ちることもあります。根管治療で歯を残すことができれば、食事や会話に支障がなくなり、他の歯に過度の負担をかけることなく生活を続けられるようになります。
根管治療が必要となるケース

根管治療が必要となるのは、歯の内部にある神経や血管が通る根管の中に細菌が侵入し、炎症や感染が起きたときです。主に、以下のようなケースで治療が検討されます。
虫歯が神経まで到達している場合
虫歯が神経にまで及んでいる場合、根管治療が必要になります。虫歯は歯の表面から徐々に進行していき、エナメル質、象牙質を侵食し、最後には神経にまで達します。ここまで進行すると、冷たいものがしみる、ズキズキとした強い痛みが出るなどの症状が現れます。
治療せずに放置していると、激しい痛みが続くだけではなく、歯の機能を保てなくなり、最終的には歯を失うリスクが高くなります。
また、神経が死ぬと痛みを感じなくなることもありますが、痛みがなくなるのは治ったからではなく、神経が死んだからです。激しい痛みが急に消えた場合、むしろ状態が悪化している可能性が高いため、歯科医師に相談してください。
歯が割れたり破折したりしている場合
強い衝撃や歯ぎしり・食いしばりによって、歯にヒビが入ることがあります。このような場合も、歯の内部に細菌が入り込む恐れが高く、根管治療を検討する必要があります。
小さなヒビであれば、神経を残しながら対応できることもありますが、状態によっては神経を残せなくなります。
歯が大きく損傷している場合
事故などで歯に大きな衝撃が加わると、神経が死ぬ場合があります。また、歯の内部が細菌感染している場合も、根管治療が必要になることがあります。
根管治療のメリット

「歯の神経を除去するくらい状態が悪いなら、抜いてしまえばいいのでは」と思う方もいるかもしれません。特に、根管治療は複数回の通院が必要なため、「抜歯すれば通院回数を減らせるのに」と考える方もいるでしょう。
しかし、根管治療には、さまざまなメリットがあります。ここでは、根管治療のメリットについて解説します。
歯を保存できる
根管治療は、患者さまの歯を残すことを最優先に考えた治療法です。治療に成功すれば歯を残すことができ、食事や会話を快適に行えます。
噛み合わせや発音への影響を軽減できる
根管治療を行わない場合、状態が悪化して歯を残せなくなる可能性が高いです。歯を失った場合、隣接する歯が移動したり、噛み合う歯が伸びてきたりして、噛み合わせが変化することがあります。
また、歯がなくなると空気の流れが変わり、発音しにくくなったと感じる方も少なくありません。日常生活の質を維持するためにも、歯を抜かずに残すことが望ましいのです。
周囲の歯への負担を減らせる
根管治療を行えば、周囲の歯に過度な負担がかかるのを防ぐことができます。例えば、奥歯を失ったまま放置すると、噛むバランスが乱れて前歯や反対側の歯に過剰な力がかかり、歯の寿命を縮める可能性があります。
根管治療を行えば、噛むバランスを保ちながら隣接歯に負担をかけずに日常生活を送ることが可能になります。また、歯列全体のバランスが保たれることで、顎関節や咀嚼筋への負担も軽減され、長期的な口腔の健康維持につながります。
根管治療のデメリット

根管治療には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。根管治療を検討する際には、メリットだけではなくデメリットも理解したうえで判断することが重要です。
ここでは、根管治療のデメリットについて詳しく解説します。
治療期間が長い
根管治療は1回の治療では終わらないのが一般的です。歯の状態によって異なりますが、3~5回程度の通院が必要になることが多いです。特に、根管の形が複雑な場合や感染の進行が激しい場合は、さらに多くの時間と回数がかかることもあります。
多忙な毎日を送っている方にとっては、頻繁な通院が負担になることもあるでしょう。
再感染のリスクがある
根管治療をした後でも、感染が完全に取り除かれていない場合、再感染する可能性があります。特に、根管の中は細くて複雑な形状をしているため、治療中に汚染物質が残ることがあります。
その結果、内部で再び炎症が起き、痛みや腫れが出たり歯の根に膿がたまったりすることがあります。再感染が起きた場合は再治療が必要で、費用や通院期間がさらに増加することになります。
根管治療の流れ

ここからは、一般的な根管治療の流れをご紹介します。
初診・診断と治療計画の説明
まずは、歯科医師による診察を行い、レントゲン撮影などで歯の状態を確認します。痛みの程度やレントゲン写真の状況などから、根管治療が必要かどうか判断します。必要であればCT検査を行うこともあります。
虫歯の除去と根管の拡大
虫歯組織をすべて取り除いたら、根管内を必要に応じて拡大し、細菌や古い神経組織を可能な限り除去します。根管内は非常に細く複雑な形状をしているため、安全かつ確実に治療を進めるためには、患者さま1人ひとりに合わせた治療計画を立てることが欠かせません。
根管内の消毒・洗浄
歯髄を除去したら、根管内を洗浄して消毒します。根管内は複雑な形状をしており、1本の歯に複数の根管が存在する場合があります。そのため、何度か通院して消毒・洗浄を進めます。
仮詰めと経過観察
最終的な詰め物や被せ物を作製するまでの間、根管内を一時的に薬剤で密閉し、汚染の再発を防ぎます。仮歯を装着して日常生活に支障が出ないようにします。
根管充填と土台・被せ物の装着
根管内が綺麗になったら、歯の機能を補うための治療に進みます。根管充填とは、根管内にて専用の薬液を用いて細菌が入り込まないように補填する処置です。根管内を完全に密閉することで、細菌の侵入や繁殖を防ぎます。
次に、根管内に土台となるコアを装着してから、最終的な被せ物を作成・装着します。見た目の改善はもちろん、他の歯との噛み合わせも考慮しながら機能を回復していきます。
根管治療の費用

根管治療の費用は、使用する器具や機材、治療の難易度によって異なります。一般的には、保険診療で5,000円から1万5,000円程度、自由診療では5万円から18万円程度が目安です。
自費診療の場合は、より精密な治療が受けられるケースが多いですが、治療費の全てを自己負担しなければならないため、経済的な負担は増加します。
まとめ

根管治療は、虫歯や外傷などで歯の神経が感染した場合に、歯を抜かずに残すために行う非常に重要な治療法です。歯の内部を丁寧に清掃・消毒し、密封することで、歯の機能を回復させるだけではなく、噛み合わせや発音などの日常生活にも良い影響を与えます。
しかし、治療完了までに複数回通院する必要がある、再感染のリスクがあるなどの課題も理解しておく必要があります。それでも、適切な治療とケアを受ければ、歯を長期間にわたって使い続けられる可能性が高まります。
根管治療を検討されている方は、港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」にお気軽にご相談ください。
当院では、院長が全ての患者さんを対応するなど、患者さんの悩みに本気で向き合っています。歯を守りたい、芸能人のような歯にしたい、他院で断られたなどのお悩みを抱えている方はぜひご連絡ください。
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歯周外科治療とは?適応となるケースや治療の種類、費用も
2025年11月13日
こんにちは。港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」です。

歯周病は、歯ぐきの腫れや出血から始まり、放置すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜ける可能性がある深刻な病気です。
初期の段階であれば、スケーリングやブラッシング指導などの基本的な処置で改善することもありますが、進行した場合にはより高度な治療が必要になります。そこで重要になるのが歯周外科治療です。
歯周外科治療は、歯周病の進行を食い止め、失われた歯周組織の回復を目指すための専門的な治療法です。
今回は、歯周外科治療とは何か解説します。適応となる症状や治療の種類、メリット、注意点や費用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
歯周外科治療とは

歯周外科治療は、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなったり、歯を支える骨が溶けてしまったりした場合に行われる外科的な治療です。
初期の段階であれば、歯のクリーニングやスケーリング、ルートプレーニングといった基本的な処置で対応できますが、重度になるとそれだけでは十分な効果が期待できません。そこで必要になるのが、より専門的な手術をともなう歯周外科治療です。
歯ぐきを切開して内部にある歯石や感染組織を除去したり、骨や歯ぐきの再生を促す材料を使用して失われた組織を回復させたりします。このような処置を行うことで、歯周病の進行を食い止め、最終的には歯の保存につながることが期待されます。
歯周外科治療の適応となるケース

歯周外科治療が必要になるのは、一般的な歯周病治療だけでは効果が十分でない場合です。以下のようなケースでは、歯周外科治療の適応となることがあります。
歯周病が進行しているケース
歯周病が中等度から重度に進行している場合には、歯を支える骨が著しく失われていることが多いです。そのため、通常のスケーリングやルートプレーニングといった基本治療だけでは十分な効果が得られません。
特に深部に付着した歯石や感染組織は、視認が難しく、器具が届きにくいため、取り残しのリスクがあります。こうした場合には、歯ぐきを切開して歯根の奥深くまでしっかりと処置できるフラップ手術などの外科的治療が有効です。
歯ぐきの腫れや出血が続くケース
ふだんしっかりと歯みがきをしているにもかかわらず、歯ぐきの腫れや出血といった症状が長期間にわたって続く場合、歯周病が歯ぐきの奥深くまで進行している可能性があります。
見た目には大きな異常がなくても、歯周ポケットの内部では細菌が繁殖し、慢性的な炎症が起きていることがあります。
こうしたケースでは、通常の清掃では除去できない感染源が存在するため、歯ぐきを開いて内部の状態を確認・処置する外科的治療が必要になることがあります。原因を目で確認しながら取り除くことで、炎症の改善や再発の予防につながります。
歯周ポケットが深いケース
歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットは、通常1〜3mm程度が健康な状態とされています。
しかし、歯周病が進行するとこのポケットが深くなり、4mm以上になると細菌がたまりやすくなります。特に6mm以上の深さがある場合、歯ブラシや通常の治療だけでは奥まで届かず、細菌や歯石を完全に除去することが困難になります。
このような状態では、歯ぐきを切開して内部を直接清掃する治療が必要になります。歯周ポケットを浅くすることで、再発のリスクを抑え、歯の保存にもつながります。
歯周外科治療の種類

歯周外科治療には、症状の進行度や患者さんの状態に応じて複数の治療法が存在します。ここでは代表的な治療法をご紹介します。
フラップ手術
フラップ手術は、歯ぐきを切開して歯根の表面を露出させ、そこに付着している歯石や感染組織を目視で確実に除去するための手術です。処置後は、切開した歯ぐきを元に戻し、縫合します。
この手術は、歯周ポケットの深さを改善し、歯周病の進行を食い止める効果があります。また、清掃性が向上するため、術後のセルフケアがしやすくなり、再発予防にもつながります。
歯周組織再生療法
歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜、セメント質といった歯周組織を再生させることを目的とした治療法です。単に感染を取り除くだけでなく、歯を支える構造そのものを回復させることが期待できます。以下に代表的な再生療法をご紹介します。
GTR法
GTR法は、失われた歯周組織の再生を促すための歯周外科治療です。この治療では、メンブレンと呼ばれる特殊な人工膜を使用し、再生を望む歯根膜や骨の領域に、歯ぐきの細胞が入り込まないように遮断することで、組織が正しく再生する環境を整えます。
特に垂直性の骨欠損がある症例に適応となり、骨の再生とともに歯の安定性を取り戻すことが期待されます。
ただし、状態によっては適応とならない場合もあるため、治療前の精密な診断が重要です。
エムドゲイン法
エムドゲイン法は、ブタの歯胚から抽出されたたんぱく質を主成分とするゲル状の材料を使用する治療法です。このエムドゲインは、歯の発生過程を再現し、歯根膜やセメント質、骨の再生を促します。
手術の際に、感染組織を除去したあと、このゲルを欠損部に塗布し、再生を待つという流れです。安全性が高く、成功率も高い再生療法のひとつとして注目されています。
リグロス
リグロスは、日本で開発された歯周組織再生用の薬剤です。主成分はbFGF(線維芽細胞増殖因子)で、骨や歯根膜などの再生を促します。
リグロスは、保険が適用される点が特徴で、再生療法のなかでも費用を抑えられるというメリットがあります。適応となる症例には限りがありますが、条件が合えば非常に有効な治療法です。
歯周外科治療を受けるメリット

歯周外科治療を受けることで得られる最大のメリットは、自分の歯を残せる可能性が高まるという点です。歯周病によってダメージを受けた歯周組織を回復・再生させることで、本来なら抜歯となるケースでも歯を保存できる可能性があります。
また、治療によって歯周ポケットが浅くなり、セルフケアがしやすくなるため、歯周病の再発予防にもつながります。さらに、歯ぐきの腫れや出血が改善することで、口臭の軽減や食事のしやすさ、審美的な改善といった日常生活の質の向上も期待できます。
歯周外科治療を受けるときの注意点

歯周外科治療は、効果的な治療法である一方で、注意すべき点もあります。
まず、手術後には一時的な痛みや腫れが生じることがあり、生活に支障が出ることもあります。また、喫煙や糖尿病などの生活習慣病がある方は、治癒が遅れたり、再生療法の効果が十分に得られなかったりする可能性があります。
そのため、治療前に歯科医師と十分に相談し、必要に応じて生活習慣の改善を検討することも重要です。さらに、治療が終了したあと、定期的なメンテナンスを怠ると、再発のリスクが高まります。歯周外科治療は治して終わりではなく、継続的な管理と意識が不可欠です。
歯周外科治療の費用

歯周外科治療の費用は、治療内容や使用する薬剤、保険の適用範囲によって異なります。例えば、基本的なフラップ手術であれば、健康保険が適用されることが多く、3割負担であれば1本あたり数千円〜1万円程度で受けられます。
一方で、歯周組織再生療法に関しては、GTR法やエムドゲイン法は原則として自費診療となるため、1本あたり数万円〜10万円前後かかることもあります。
ただし、リグロスは保険適用の対象になるため、安価に治療を受けられるのが特徴です。費用については、治療前に必ず歯科医院で確認し、納得したうえで治療を進めることが大切です。
まとめ

歯周外科治療は、進行した歯周病に対する最後の砦ともいえる治療法です。適切に行われることで、歯を失わずに済む可能性が高まり、生活の質を大きく向上させることができます。治療には外科的な処置を伴うため、不安に感じる方も少なくありません。
しかし、しっかりとした診査・診断、丁寧な説明を受け、納得したうえで治療に臨めば、その効果は十分に期待できます。近年では再生療法の選択肢も増え、より多くの方が歯を残す治療を選択できるようになりました。
歯周病でお悩みの方は、早めに歯科医院を受診し、自分に適した治療法を検討することが重要です。
歯周病の症状にお悩みの方は、港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」にお気軽にご相談ください。
当院では、院長が全ての患者さんを対応するなど、患者さんの悩みに本気で向き合っています。歯を守りたい、芸能人のような歯にしたい、他院で断られたなどのお悩みを抱えている方はぜひご連絡ください。
当院のホームページはこちら、お問い合わせも受け付けておりますので、ご活用ください。
前歯のインプラント治療は難しい?メリット・デメリットも
2025年11月6日
こんにちは。港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」です。

前歯を失った際、見た目や機能の回復を考えたときにインプラント治療は非常に有力な選択肢です。
インプラントは天然歯のような美しさと噛む機能を回復できる治療法として注目されていますが、前歯は見た目の自然さが求められるため、治療の難易度が高いとされています。
また、前歯は会話や笑顔など日常の動作で常に目立つ場所にあるため、わずかな違和感も大きなストレスになることがあります。
今回は、前歯のインプラント治療における難しさやメリット・デメリットについて解説します。前歯をインプラントにしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
前歯のインプラント治療は難しい?

前歯のインプラント治療は、機能性・審美性が求められるため、難易度が高いといわれています。ここでは、前歯のインプラント治療が難しいといわれる理由について解説します。
骨の厚み・高さが不足していることが多いため
前歯の部位は、もともと骨の厚みや高さが十分でないケースが多く見られます。特に、歯を失ってから時間が経っている場合、骨がさらに吸収されて薄くなることがあります。
インプラント治療では、顎の骨とインプラント体をしっかりと固定させるために一定の骨量が必要となります。骨の状態が不安定なままインプラント体を埋入すると、安定性が損なわれるリスクがあります。
そのため、顎の骨が不足している場合には骨造成と呼ばれる追加の処置が必要になることがあるのです。
審美性が重視されるため
前歯は笑顔や会話の際に目立つ顔の一部であり、審美性が非常に重視されます。
ほかの部位と異なり、歯ぐきのラインや歯の形状、色調などが正確でないと不自然に見えることがあります。例えば、歯の色が周囲の歯と異なったり、インプラントの金属が透けて見えたりすると、見た目に違和感が生じることがあるのです。
そのため、天然歯と同じような透明感や自然な歯ぐきのラインを再現する必要があります。高い技術力が求められるため、難しいといわれているのです。
噛み合わせや機能面への配慮も必要
前歯は奥歯ほど強い力が加わるわけではありませんが、発音や食べ物を噛み切るといった繊細な機能を担っています。そのため、インプラント治療においても、見た目だけでなく噛み合わせや機能面への配慮が欠かせません。
特に前歯部では、上下の歯の接触関係が不適切だと、インプラントに過剰な負担がかかり、破損や脱落のリスクが高まります。また、舌や唇の動きとの調和がとれていないと、発音がしにくくなることもあります。
噛み合わせを正しく調整するためには、治療前の精密な診断と、術後の微調整が非常に重要です。
前歯をインプラントにする場合のメリット

ここでは、前歯をインプラントにするメリットについて解説します。
自然な見た目を再現できる
前歯のインプラントは、審美性を重視して設計されるため、自然な見た目を再現することが可能です。色や形、大きさなどを周囲の歯に合わせることで、インプラントであることに気づかれにくい仕上がりになります。
なかでも、ジルコニアやオールセラミックなどの審美性の高い素材を選択することで、天然歯のような透明感やツヤを再現することができます。
しっかり噛めるようになる
前歯は食べ物を噛み切る役割を持っており、この機能が損なわれると、硬いものや繊維質の食材が食べにくくなります。入れ歯とは異なり、インプラントは顎の骨に直接固定されるため、非常に安定性が高く、硬いものもしっかりと噛めるようになります。
インプラントによってその機能が回復すれば、以前と同じように食事を楽しむことができ、栄養の偏りや食べるストレスを軽減することにもつながります。また、しっかりと噛めることで、発音や表情の自然さも保ちやすくなります。
隣接歯への影響が少ない
前歯を失った場合の治療法としてブリッジを選ぶと、両隣の健康な歯を削って支えにする必要があります。
一方で、インプラントは単独で歯を支える構造のため、周囲の歯を削る必要がありません。隣接する天然歯への影響が少ない点がインプラント治療のメリットといえるでしょう。
また、周囲の歯に過剰な負担をかけずに済むため、口全体の健康を長く維持しやすくなります。周囲の歯に負担をかけたくないと考える方にとって、インプラントは理想的な選択肢といえるでしょう。
耐久性が高い
インプラントは適切なケアとメンテナンスを行うことで、長期間にわたって使用可能です。一般的には10年以上、場合によっては20年以上使用できるケースもあり、長期的な視点で見ると非常にコストパフォーマンスの高い治療法といえます。
前歯をインプラントにする場合のデメリット

前歯をインプラントにすることには多くのメリットがありますが、同時にデメリットや注意点も存在します。ここでは、前歯をインプラントにするデメリットについて解説します。
骨が薄い・少ない場合は追加治療が必要
前歯のインプラント治療では、顎の骨の厚みや高さが十分にあるかどうかが成功の鍵となります。
しかし、前歯の部位はもともと骨が薄い傾向があり、歯を失ってから時間が経つと、骨がさらに吸収されてしまうことがあります。このような場合、そのままではインプラント体を埋め込むことができず、骨造成などの追加治療が必要になります。
骨造成などの追加治療が必要になると、治療期間が延びたり費用が増えたりする可能性があります。また、追加治療には外科的処置が伴うため、身体への負担も増えることになります。この点については、事前によく理解しておく必要があるでしょう。
費用が高額
インプラント治療は、保険適用の対象にならないため、費用が高くなる傾向があります。1本あたりの費用はおおよそ30万〜50万円程度が相場とされており、使用する素材や治療内容によってはさらに高額になることもあります。
特に前歯では審美性を重視して、オールセラミックやジルコニアなどの高品質な材料を使用することが多く、費用に反映されやすい点が特徴です。また、骨造成などの追加の処置が必要になると、その分の費用が上乗せされます。
そのため、事前に見積もりを確認し、納得したうえで治療を進めることが大切です。
定期的にメンテナンスが必要
インプラントは人工の歯であるため虫歯にはなりません。
しかし、インプラント治療後のケアを怠ると、周囲の歯茎や骨が炎症を起こすインプラント周囲炎を引き起こすリスクが高まります。インプラント周囲炎が進行するとインプラントを支える骨が吸収され、最悪の場合にはインプラントが抜け落ちる可能性もあります。
これを防ぐためには、治療後も定期的にメンテナンスを受けることが重要です。定期的に歯科医院でメンテナンスを受けていれば、万が一、インプラント周囲炎などのトラブルが起こっていても、早期に発見・対処ができます。
また、メンテナンスの際には歯のクリーニングも行われます。歯科医院では専用の器具を使用して、ふだんの歯磨きでは落としきれないインプラント周囲に付着した汚れも除去します。これによって、インプラント周囲炎を引き起こすリスクを軽減できるのです。
しかし、仕事や家事などで忙しく、なかなか歯科医院を受診できない方にとって、定期的に通院が必要になる点はデメリットといえるでしょう。
外科手術が必要
インプラント治療では、顎の骨に人工の歯根を埋め込むための外科手術が必要になります。局所麻酔下で行われることが一般的で、痛みはしっかり管理されますが、外科的な処置である以上、身体への負担やリスクを伴う点は理解しておく必要があります。
まとめ

前歯のインプラント治療は、見た目の美しさと噛む機能の両立が求められるため、非常に繊細で高度な技術を必要とします。骨や歯茎の状態、審美性、機能性など多くの点に配慮が必要であり、治療計画や医師の技術力が結果を大きく左右します。
一方で、自然な見た目やしっかり噛める感覚、周囲の歯を守れるなどの大きなメリットがあり、長期的な満足度も高い治療法です。費用が高額、外科的手術が必要といったデメリットもありますが、それらを踏まえても選ぶ価値のある方法といえるでしょう。
メリットとデメリットをよく理解し、歯科医師とよく相談のうえ、ご自身に合った治療法を検討しましょう。
インプラント治療を検討されている方は、港区南青山、東京メトロ「外苑前駅」より徒歩4分にある歯医者「エストデンタルケア南青山」にお気軽にご相談ください。
当院では、院長が全ての患者さんを対応するなど、患者さんの悩みに本気で向き合っています。歯を守りたい、芸能人のような歯にしたい、他院で断られたなどのお悩みを抱えている方はぜひご連絡ください。
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