口内炎を早く治したい!原因と効果的な対策とは?
2025年5月16日
こんにちは。エストデンタルケア南青山橋本です。
清々しい風が青葉若葉を揺らす季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私はゴールデンウィークにおいしいものを食べ、たくさん遊んだ結果、疲れが出たのか口内炎ができてしまいました。
食事をしているときや会話の最中に、突然「ズキッ」と痛みを感じる口内炎。小さな傷のように見えても、その痛みと不快感は想像以上に大きく、日常生活に大きな影響を与えます。とくに繰り返しできる方にとっては、まさに厄介な悩みの種ですよね。
今回のブログでは、口内炎ができる原因、早く治すための対処法、そして再発を防ぐための予防法までを、医療・栄養学的な視点から詳しく解説します。日々の生活習慣を少し見直すだけで、口内炎の頻度をぐっと減らすことも可能です。
■そもそも口内炎とは?
口内炎とは、口腔内の粘膜にできる炎症や潰瘍の総称です。最もよく見られるタイプは「アフタ性口内炎」と呼ばれるもので、直径数ミリの白っぽい潰瘍ができ、周囲が赤く腫れてしみるような痛みを伴います。発症すると、通常は数日から1週間程度で自然に治癒しますが、その間は食事や会話、歯磨きなどが困難になり、QOL(生活の質)を著しく低下させます。
■ 口内炎ができる主な原因5つ
口内炎の原因は1つではなく、以下のように複数の要因が複雑に絡み合って発症します。
① 物理的な刺激や外傷
- 食事中に誤って頬の内側や舌を噛んでしまう
- 硬い食べ物(せんべいやナッツ類)で口の中を傷つける
- 強い力で歯を磨きすぎて粘膜を傷つける
これらの傷に細菌が侵入すると、炎症が起こり、口内炎に発展します。
② ビタミンB群の不足
特にビタミンB2やB6の不足は、粘膜の健康維持に大きな影響を与えます。これらが不足すると、粘膜がダメージを受けやすくなり、傷の治癒も遅れます。
原因となる生活習慣
- 野菜・果物の摂取不足
- インスタント食品や加工食品中心の食生活
- 無理なダイエットによる栄養制限
③ ストレスや睡眠不足
慢性的なストレスや疲労、睡眠不足は、免疫機能を低下させるため、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まり、口内炎の原因となります。特に受験や仕事の繁忙期など、心身のバランスを崩しやすい時期に発症しやすいです。
④ 口腔内の乾燥
唾液は口内の潤いを保ち、細菌の繁殖を抑える役割を担っています。唾液の分泌が減ると、口腔内のバリア機能が低下し、炎症が起こりやすくなります。
乾燥の原因
- 口呼吸の習慣
- 水分摂取不足
- 寝ている間に口が開いてしまう
- 冬場の乾燥した室内環境(加湿不足)
⑤ ウイルス・真菌・アレルギー
- ウイルス性口内炎:ヘルペスウイルスが原因で、水疱や潰瘍が多発
- 真菌性口内炎:カンジダ菌が関係しており、白い苔のようなものが舌や粘膜に見られる
- アレルギー性口内炎:チョコレートやナッツ、特定の薬剤に反応することもあります
■ 口内炎を早く治すための方法
口内炎ができたら、まずはその部位に刺激を与えないように気をつけながら、以下のような対策を実践しましょう。
① 栄養補給(ビタミンB群)
ビタミンB2が豊富な食品
- レバー
- 卵
- 納豆
- ヨーグルトなど乳製品
ビタミンB6が豊富な食品
- 鶏のささみや胸肉
- マグロ、カツオ
- バナナ、じゃがいも
日常の食事で摂取が難しい場合は、ドラッグストアで販売されているビタミン剤やサプリメントを利用するのも有効です。
② 口腔内を清潔に保つ
- 毎食後に丁寧に歯磨きする
- 刺激の少ない歯磨き粉を使用
- 殺菌作用のあるうがい薬(例:イソジン)でうがい
- 塩水うがいも効果的(ぬるま湯+塩小さじ1/2)
③ 市販薬や病院での治療
- 軟膏(ケナログ、アフタッチなど)で直接患部に塗布
- 貼り薬タイプは食事中の痛みを緩和
- 何度も繰り返す場合は皮膚科や歯科を受診し、根本治療を検討
④ 唾液の分泌を促す・乾燥を防ぐ
- こまめに水分を摂取
- 無糖ガムで唾液を促す
- 加湿器の使用、特に就寝時
- 鼻呼吸を意識する(マスク装着も効果的)
■ 再発予防のためにできること
口内炎を繰り返さないためには、次のような習慣を意識して継続することが大切です。
- 栄養バランスのとれた食事(特にビタミンB群の補給)
- 規則正しい生活リズムと十分な睡眠
- 適度な運動とストレス解消法(散歩や趣味など)
- 丁寧な歯磨きと口腔ケア
- こまめな水分補給、室内の湿度管理
- よく噛んで食べる習慣をつけ、口の中を傷つけないようにする
■ 注意すべき「口腔がん」の可能性
口内炎と似た症状であっても、以下のような特徴がある場合は口腔がんの可能性も否定できません。特に2週間以上改善しない場合は要注意です。
口腔がんの主な症状
- 2週間以上治らない潰瘍
- 痛みがほとんどないがしこりがある
- 赤や白の異常な色の粘膜(紅板症・白板症)
- 歯のぐらつきや顎の腫れ
- 嚥下障害、発音障害
受診の目安:喫煙歴がある方、大量の飲酒をする方はリスクが高いため、口腔外科や耳鼻咽喉科、がん専門医での早期診察が重要です。
■ 子どもや高齢者の口内炎にも注意を
口内炎は大人だけでなく、子どもや高齢者にも多く見られる症状です。特に成長期の子どもは、栄養バランスが崩れやすく、また歯磨きが不十分になりがちなため、口内炎ができやすくなります。一方、高齢者の場合は、入れ歯による摩擦や免疫力の低下、唾液分泌の減少が主な原因となります。
子どもの場合
- 栄養不足(特に鉄分やビタミンB群)
- 手指やおもちゃなど、口に入れる習慣による細菌感染
- 睡眠不足やストレス(保育園・学校生活の影響)
対策としては、バランスの取れた食事と、手洗いやうがいの習慣づけが効果的です。
高齢者の場合
- 入れ歯の不具合による粘膜の傷
- 唾液の減少による乾燥
- 持病や薬の影響による免疫低下
高齢者には、口腔ケアをサポートする道具(保湿ジェル、口腔内スプレーなど)の活用や、定期的な歯科受診が重要になります。
■ 冬や季節の変わり目は特に注意
寒くなる冬場や季節の変わり目は、体調を崩しやすく、同時に口内炎のリスクも高まります。空気の乾燥、食欲不振、風邪による栄養不足が主な要因です。特に冬は室内の加湿とビタミン補給を意識し、風邪とともに口内炎を予防することが大切です。
■ 「繰り返す口内炎」は内科疾患のサインかも
年に何度も繰り返す、あるいは複数の潰瘍が同時に現れる口内炎は、体の中の病気が原因である可能性も考えられます。
疑われる主な疾患:
- ベーチェット病:再発性の口内炎、皮膚や目の炎症を伴う自己免疫疾患
- 鉄欠乏性貧血:舌や粘膜が弱くなり、潰瘍ができやすい
- 消化器疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など):栄養吸収不良により粘膜の弱化
口内炎は誰にでも起こりうる症状ですが、原因と対策をしっかり知ることで、予防や早期回復が可能になります。
- 生活習慣を見直す
- 口腔内を常に清潔に保つ
- 栄養バランスとストレス管理を大切に
- 異常があれば早めの受診を
以上のポイントを意識して、日々の健康を守りましょう。